3-5. エネルギー会計——使える量には上限がある

MTPの産生量は無限ではない。術者が一定時間内に使用できる総エネルギーは、以下の要素によって決まる。

E_usable = η_met × E_metabolic
         + η_triphos × ∫ P_triphos(t) dt
         - E_loss

E_metabolic  : 栄養由来エネルギー(ATP系からの補助)
P_triphos(t) : 環境トリフォスからの充填レート
η            : 変換効率(個体差・訓練・体調・環境濃度で変動)
E_loss       : 熱散逸・Force Mist排出等のロス

この式が示すのは、魔法の出力は「術者の身体」と「環境のトリフォス濃度」の両方に依存するという事実だ。どれほど優れた術者でも、トリフォスが極端に薄い環境では出力が落ちる。逆に、高濃度環境では同じ技量でも出力が上がる。

安全域と過負荷

MTP濃度 C_MTP が体内の閾値 Θ を超えた状態が一定時間続くと、以下の症状が現れる。

過負荷の段階 症状
軽度(Θ超過・短時間) 皮膚温上昇・心拍数増加
中度(Θ超過・継続) 筋硬直・視野狭窄
重度(Θ大幅超過) 内出血・失神
致死域 AN組織の不可逆的損傷

安全装置として、皮膚温42℃超・心拍数170bpm超で自律的な遮断反応が発動するよう、訓練によって術者の身体に条件付けることができる。これが戦闘訓練における「FailSafe習得」の正体だ。

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